cross road

過ぎ去った季節に置き忘れた時間をもう一度つかまえたい

誰もが胸の奥に秘めた迷いの中で 手にしたぬくもりをそれぞれに抱きしめて新たなる道を行く

お互いの一歩

彼と初めてカラオケに行ったあの日、色々歌った中で彼がクロスロードを歌ってた。


そのときは懐かしい〜くらいだったけど、後日、たまたま自分の手元にあったそれがイヤホンから流れてきた時、その歌詞につい聞き入ってしまった。きっと歌った本人に他意はないけど、私の頭の中ではぐるぐる彼の声で再生されて。



もやもやとした日々を過ごしてたとき、私は家で寝かしつけの後に晩酌することが多くなってた。

酔って、いろんなこと忘れたくて。


そんなとき、酔っ払いすぎて、いいやーってなって、つい一通の連絡を入れてしまった。


「おつかれさま!クロスロードっていい歌だねぇ。久々にミスチル聞いてるよ、懐かしいー。こないだ歌ってたっけ。」


こんな感じだったかな。

彼からは普通に返ってきた。


「いいよね、今度はミスチルカラオケでもしよか!○○(もう一人の同僚)も次は来れたらいいよね」


うん行こうって返して。私はやりとりできただけで満足した。

でも何したいんだろうって思いながら。


しばらく経ったある日、久しぶりに平日の夜あく予定があって、せっかくだし誰かと飲みにいきたいなー、、、ちらっと、彼に声かけてみようかなーと思った。

でも、誘って困らせてもいやだし、やめとこう、と思いとどまった。



その日の昼、仕事してたら彼がふらっと私の席の横に来て声をかけられた。

突然の不意打ちに内心バクバクしながら、平然を装いつつ…


どうしたの?と聞いたら、

なんか今日は夕飯が家になくて外で食べて帰らないといけなくて、飲みでもいけるんだけど、もし暇だったらどうかなって。



…なんでこう都合が合うのかな。

ちょっとびっくりした。



そうして夜飲みに行くことになって、一旦帰宅してから待ち合わせに向かう途中。


今日はもう一人の同僚は来るのか?と。


前に一度連絡とったときは、「次回はもう一人も来れたらいいね」って言ってた。

声かけてあるってことかな。3人の会だよね?


気になったけど、行けばわかるし…

敢えて聞かずに現地に向かった。

2人でか、3人でかは彼の判断に任せようと思って。


行ったら、彼は一人で待ってた。

○○は?と特に聞かずに「お待たせ」と合流して、そのままお店に向かって、特に同僚の話は出なくて、結局2人での誘いだったみたい。


彼は特に何も言わず誘ってきたけど…なんかずるいなーと思いつつ。


前に会ってから数週間。私は全然ご飯が食べれなくなってたから、行ってからもあんまり食事に付き合えなくて。


何かあったの?って聞かれたけど言えないよねー。


でも空腹だからかお酒が回っちゃって。

その後はカラオケに行ったけど、しんどくなって眠くなってテーブルに突っ伏しながら彼の歌を聴いてた。


そしたら「おーい、大丈夫?」って肩をぽんぽんされて(何気に初めて触られた)、私は顔を上げて「わからない、わからないよー」と、多分酔っ払って半泣きの顔で言ってた。(記憶があいまい)


多分そこで私が酒もあってちょっとグズグズ泣き出して。


そしたら、気付いたら強く抱きしめられてて彼の腕の中にいた。


しばらく何が起こったのかわからなかったけど…ひたすら私は「自分の気持ちがわからないー」と彼の胸で泣いてた気がする。


そこから、キスされて。

俺はずーっと好きだったよって。

ずっと昔、出会った頃からずっと好きだったって。


でも、俺たちの関係には、どこにも答えがないから。未来がないから。って。


そのときは、私はまだそこまで真剣に考えてた訳じゃなかったから何を言ってるのかよくわからなかったけど今ならわかる。


彼もずっと悩んでたのかな。

考えて、答えが出なくて、この発言になったのかな。


でも好きだよってずっと言ってくれてた。


頭がぼーっとしながら、終電もあったしその日別れた後、

すぐに彼から連絡が入った。


「今日はありがとう。昔からずっと思ってたことをやっと言葉にできて、夢みたいだったよ。だけど、家に帰ったらこのことは全部忘れてね。また飲みにいこう(^_^)」



なんかもうどうしていいのかわからなくて。

「忘れて」は彼の優しさだったのかな。

忘れられるわけないけど。



後で、なんであの日また2人で飲みに誘ってくれたの?って聞いたら、

連絡我慢しようと思って過ごしてたときに、私からミスチルの話で連絡が来たから、その時に、もう一回2人で会おうって思ったって。



私の一歩は、とりとめない連絡を一本入れたこと。


彼の一歩は、それを受けてまた2人で会おうと誘ったこと。



お互い、悩みつつも踏み込めない、そんな関係無い無い無い、と思って過ごしてたのに

何気ない一歩をお互いに踏み込んでしまってこうなっちゃったのかな。